天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階 - Gyr0.mp3

天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階 - Gyr0.mp3
天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階 - Gyr0
[00:00.00] 作词 : Gyr0 [00:...
[00:00.00] 作词 : Gyr0
[00:01.00] 作曲 : Gyr0
[00:09.11]もう動くことのないそれは、
[00:13.11]エネルギーとして広く行き渡り、
[00:17.38]価値として天に還元される。
[00:21.84]天底に座した浮遊鯨が完全に消滅するまでの4つの段階について。
[00:29.83]"第1段階 透肉食期"
[00:33.45]浮遊鯨の肉は腐食と同時に透過します。
[00:37.45]その存在がなくなるわけではなく、ただただ光を通すようになるため、透明に腐るのが特徴です。
[00:46.06]透過した肉は宙角鮫などに捕食されていきます。
[00:50.06]視覚では捉えられないそれを、宙角鮫は嗅覚とロレンチーニ器官によって見つけ出します。
[00:58.74]ただもし異常な電場の空域で浮遊鯨が座した場合は、
[01:03.95]ロレンチーニ器官では座した浮遊鯨を見つけることはできません。
[01:09.45]コロラドで起きた同様の事例では、上昇気流によって
[01:16.03]辿り着ついた空気蟹単独でこの段階が進行されていきました。
[01:21.82]"第2段階 骨風蝕期"
[01:25.86]肉がなくなり、一見すると骨だけが残っていますが、
[01:31.07]脂肪などの有機物は骨片の間に残存しています。
[01:36.57]この段階では傾度風によって運ばれた生命が、
[01:41.34]あらゆる有機物を消滅させていきます。
[01:45.89]骨喰風蟲は、鯨骨の中に根を張り巡らせることで、
[01:51.58]骨の中のタンパク質構造を緩やかに消化していきます。
[01:56.59]他にもヘブンズシェルや天衣海老が風と共に骨を蝕み、
[02:02.40]概ね一年でこの段階は終了します
[02:06.18]"第3段階 光学変成期"
[02:11.83]骨の中の有機物が嫌暗的に分解されはじめることで、
[02:17.75]光化学合成細菌による鯨骨本体の分解に遷移します。
[02:23.67]その分解による特殊な作用として、鯨骨が、光学的異方性
[02:30.34]を持つ事により、水晶のような複屈折を起こすようになります。
[02:36.03]この段階は100年にも渡り、その過程でほとんど透明に
[02:42.53]なってもなお、鯨骨は土から生まれたものを衰弱させます。
[02:48.33]座してから100年もの間、空域は特別管制区であり、
[02:54.68]解除されることはなく、その周囲は空乗りから忌避されています。
[03:00.67]"第4段階 残粒乾浄期"
[03:04.97]もう、鯨骨を、肉眼で、見ることはなくなり、
[03:10.58]ミクロな残粒が崩壊することで、空はいつもの姿に戻ります。
[03:17.07]そこに生物の変遷があったことも、あらゆる繋がりも、
[03:23.01]一つ残さず乾かされて、空間は、真に無菌的になります。
[03:29.35]生物は、物質に、融解し、
[03:35.39]物質は、空間に、気化しました。
[03:39.95]これが、天底に座した浮遊鯨が
[03:45.80]完全に消滅するまでの4つの段階です。
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